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KEIアドバンス
KEI Higher Education Review

不登校対策に「メタバース」 戸田市の取り組みを文科大臣が視察



24万4,940人。この数字は、令和3(2021)年度に「不登校」とみなされた全国の小・中学生の人数だ。前年度に比べ、4万8,000人余りも増加し、過去最高を記録した。(文部科学省「令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」に拠る)。



メタバースと教育


このような課題の解決のために、「メタバース」を活用する試みがある。


戸田市では、学校生活に不安や困難を感じている児童や不登校傾向のある児童をサポートするため、空き教室を活用した「ぱれっとルーム」を開設した。これは、校内のサポートルームで、児童の居場所としての機能を果たす施設だ。昨年からすでに、市内の小学校3校に設置したが、今年度からは、市内の全12小学校に拡大した。


また、昨年夏からは、NPO法人カタリバが展開するシェア型オンライン教育支援センター「room-K」とも提携、学校に登校できなくても、自宅からオンラインで参加する「メタバース登校」も導入している。7月3日には、永岡桂子文部科学大臣も、埼玉県戸田市の市立笹目東小学校を訪問、視察を行なった。


メタバースというと、一般には、3D空間でアバターが動き回るため、高性能なPCやVRゴーグル、高速大容量の通信回線などが必要になるというイメージがある。しかし、「room-K」の場合は、GIGAスクール構想によって児童1人に1台ずつ配布されているPCやタブレットでも、十分に対応できるように配慮・設計されているので、参加のための敷居は低い。


「room-K」には、個別の学習計画を作成するスタッフや、児童生徒に伴走する専門スタッフもネット上に配置される仕組みがある。児童生徒の個別支援計画を作成したり、個別支援計画に基づいて児童生徒や保護者と1on1のオンライン面談を実施したりすることが可能となっている。そこでは、全国からいつでも利用可能な安心安全なオンラインの居場所や学習の場が開かれており、「誰一人取り残さない学び」の環境の構築に向かう教育DXの取り組みが展開されている。


笹目東小学校の視察を終えた永岡文科相は、「オンラインを含め、一人一人の子供に合った支援が効果を挙げていることがよく分かった。こうした試みを全国に広げていきたいという気持ちは文科省全体が持っている」と語った。


実際、教育DXは、官民一体となって進められており、文部科学省も政策による後押しを行なっている。


文部科学省は、「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」(COCOLOプラン)を今年3月に取りまとめた。このプランでは、「不登校の児童生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思ったときに学べる環境を整える」ことが目指されている。


計画の具体的内容を見ると、「校内教育支援センター(スペシャルサポートルーム等)の設置促進(落ち着いた空間で学習・生活できる環境を学校内に設置)」や、「教育支援センターの機能強化(業務委託等を通して、NPOやフリースクール等との連携を強化、オンラインによる広域支援、メタバースの活用について、実践事例を踏まえ研究)」などが挙げられている。


こうした取り組みに向けた「教育機会確保法」などの法整備も進められている。小・中・高校の不登校児童生徒が、「教育支援センター(適応指導教室)」や民間施設などの学校外の機関で指導等を受ける場合や、自宅においてICT等を活用して行った学習活動について、一定の要件を満たすときは指導要録上「出席扱い」にできる措置が可能になっている。


戸田市・笹目東小学校の片岡昭博校長によると、同校でのこれらの取り組みに参加した児童は、指導要録上で「出席扱い」となる。進級や進学にも影響はない。


教育の可能性は、公共の空間だけでなく「サードプレイス(自分で選択した居場所)」にも大きな拡がりを見せている。


カタリバの「room-K」のほかにも、メタバースを利用した不登校学生支援プログラムの取り組みがある。立命館大学テクノロジー・マネジメント研究科の大学院生、水瀬ゆずさん(博士前期課程2回生)の試みだ。


水瀬さんは、自分の出身地である広島市の社会福祉協議会の後援・助成も得て、2022年9月に「メタバース不登校学生居場所支援プログラム」を開催、広島市内に住む高校生たちが参加した。また、メタバースで「すべての人に、安心できる居場所を」提供できるような取り組みを進めるため、「一般社団法人プレプラ」を設立し、さらなる活動を展開している。


(参照)

・日本財団ジャーナル:カタリバ「room-K」

・内閣府:カタリバ

・文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」

・文部科学省:「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」(COCOLOプラン)

・水瀬ゆずさんの「メタバース不登校学生居場所支援プログラム」について


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