6月1日、政府は「こども未来戦略会議」(議長・岸田文雄首相)の第5回会合を開き、「こども未来戦略」の素案を議論した。
素案では、日本の出生数は 「2000 年代に入って急速に減少し、…2010年から2020 年の間には約20%減少、…コロナ禍の3年間(2020~2022年)で婚姻件数は約10万組減少、未婚者の結婚希望や希望こども数も大幅に減少」しているとし、「このままでは、2030年代に入ると、我が国の若年人口は現在の倍速で急減することになり、少子化はもはや歯止めの利かない状況になる」と危機感をあらわにする。
少子化対策はこの6~7年がラストチャンスとし、今後3年間における集中的な取り組む具体策を列挙、できる限り前倒しして実施するとしている。児童手当については、所得制限の撤廃を明言し、全員を本則給付とするとともに、支給期間は高校卒業まで延長することとした。
高等教育費の負担軽減については、奨学金制度の充実と「授業料後払い制度」の創設を目玉政策とする。「授業料後払い制度」=日本版 HECS(仮称)は、2024年度より、修士課程の学生を対象として導入し、次なる支援拡充について検討を進める。政策実施のための財源基盤としては、財政融資資金から借入を行うとしている(HECS債)。